一面白銀の世界、吹雪に支配された氷原に於いて血に濡れ伏せる竜がいった。
「おまえの願い、聞き届けたり」
竜は光に包まれると粒子と化し、星空輝く夜空へと霧散していくとただ血溜まりのみが残った。
代わりに黒の赤子が雪の上に残され、赤子はただ泣き叫んだ、無慈悲な吹雪がその産声をかき消しても尚。
それから数世紀、闇に溶けたような黒の悪魔がいた。
「おまえが悪いのさ、おれはなにもしちゃいない、おまえが地獄に堕ちるのはおまえのせいだ」
殺戮の過去を忘れられないでいる「ナハト」、そこで悲劇が起きることを悪魔だけが知っている。
【コード】
血統・人柄・過去・あるいは予見される未来・それらを反映するように発現する“コード”。
コードはそれぞれに準じた性質を兼ね備えた異能の名称である。
コード所有者は世界に存在し、その強大な力から国の戦力として数えられることもしばしば。
国王含む組織の頭目に就く強力なコード所有者も珍しくない。
畏怖の対象としてみられる事の多いコード、コード所有者=異能者狩りは多発する一方。
コード発現の際、それぞれあらゆる形で代償を支払うこととなり、その代償はコードの内容を反映させたものである。
【ナハト】
サーシル大陸北、血塗られた過去を持つ帝国。
かつては小国であったが、今は亡きレガリア国を吸収する形で現在の帝国が築かれた。
その背景にはレガリアの民虐殺事件が潜んでいるものの、真相は闇に葬られ、表では合併したという形となっている。
異能者バンダースナッチの台頭、異能狩りによる暗躍によって帝国内部では異変が起きている。
帝国の政を取り仕切る帝都には絢爛な石造建築が立ち並ぶ。商業や学問が豊か、軍の本拠地もあって治安はよい。
西にはレガリアの末裔たちが住むレガリア区が存在するが、排他的でよそ者(非レガリアの民)は寄せ付けない。
東には山岳地帯、北には港、南には農業地帯。
世界観の細かい説明は 補足 と 用語集 です。